用語 | 災害拠点病院 |
英訳 | Disaster Key Hospital |
定義 | 災害による重篤患者の救命医療等の高度の診療機能を有し、被災地からの患者の受け入れ、広域医療搬送にかかわる対応等を行う病院 |
解説 | 1995(平成7)年1月17日の阪神・淡路大震災を契機として、国は災害医療への取り組みを強化し、1997年より災害拠点病院の設置を開始。2012年、2016年と災害拠点病院の指定要件を改正・追加。都道府県において災害医療提供の中心的な役割を担う「基幹災害拠点病院」と地域(二次医療圏)において中心的な役割を担う「地域災害拠点病院」がある。 【災害拠点病院の指定要件】 @運営体制 ・24時間緊急対応し、災害発生時に被災地内の傷病者等の受け入れおよび搬出を行うことが可能な体制を有すること ・災害発生時に被災地からの傷病者の受け入れ拠点にもなること ・DMATを保有し、派遣体制があること ・被災後、早期に診療機能を回復できるよう業務継続計画の整備を行っている事 ・業務継続計画に基づき、被災状況を想定した研修及び訓練を実施すること ・地域の医療機関とともに定期的な訓練を実施すること。災害時に地域医療機関への支援をおこなうための体制を整えている事。 A施設及び設備について ・多発外傷、挫滅症候群、広範囲熱傷等の重篤救急患者の救命医療を行うために必要な診療設備 ・患者の多数発生時に対応可能なスペース(入院患者は2倍、外来患者は5倍) ・患者多数発生時用の簡易ベッド ・病院敷地内のヘリコプターの離着陸場の設置 ・診療機能を有する施設の耐震化 ・通常時の6割程度の発電容量のある自家発電設備、3日分程度の燃料 ・食料、飲料水、医薬品等の3日分程度の備蓄 ・適切な要領の受水槽、停電時にも使用可能な井戸設備、優先的な給水協定の締結 ・衛星電話の保有、衛生回路インターネットが利用できる環境 ・DMATや医療チームの派遣に必要な緊急車両の保有 ・被災地における自己完結型の医療救護に対応出来る機材の保有 |
事例 | |
参考文献(APA方式) | ・小原真理子、酒井明子監(2019):災害看護 心得ておきたい基本的な知識 改訂3版,南山堂. ・酒井明子、長田恵子、三澤寿美編(2019):ナーシング・グラフィカ 看護の統合と実践B 災害看護,メディカ出版. ・東京海上日動リスクコンサルティング株式会社(2017):リスクマネジメント最前線 |
最終編集日 | 2021/08/03 11:05:07 |