用語 | 避難行動要支援者 |
英訳 | People Requiring Assistance |
定義 | 要配慮者のうち、災害が発生し、又は災害が発生する恐れがある場合に自ら避難することが困難なものであって、その円滑かつ迅速な避難の確保を図るために特に支援を要するもの |
解説 | 東日本大震災(2011)において、高齢者や障害者が多数犠牲となり、避難を支援する側にも多くの犠牲者が出た。このことから、2013年の災害対策基本法改正において、「避難行動要支援者の避難行動支援に関する取組指針」が示され、市町村長に避難行動要支援者名簿の作成を義務付け、名簿を活用した避難支援がなされるよう求めている。避難行動要支援者の範囲は、要介護認定3〜5、身体障害者手帳1・2級の第1種、療育手帳A所有などの例が示されており、それをもとに各市町村で設定する。しかし、名簿の作成や避難支援への取組み状況は地域により大きく差があり、名簿の存在すら浸透していない地域や認識していても近隣の避難行動要支援者の避難支援方法について話し合ったことがない地域など様々である。また、「避難行動要支援者の避難行動支援に関する取組指針」では、避難行動要支援者の個別の避難計画を策定するよう推奨しているが、医療依存度の高さや介護度の状況、介護者や近隣の避難支援等関係者や避難支援者の充足度等に大きく左右される上、行政と地域の協力体制の未整備等の理由から個別計画の策定が進んでいない現状があった。 令和元年(2019)台風19号等の近年の災害において、多くの高齢者や障害者等の方々が被害に遭われている状況を踏まえ、 災害時の避難支援等を実効性のあるものとするためには個別避難計画の作成が有効とされたことから、令和3年(2021)の災害対策基本法の改正により、 避難行動要支援者について、個別避難計画を作成することが市町村の努力義務とされた。 |
事例 | |
参考文献(APA方式) | ・馬場文他(2017):地域住民の防災に関する意識とニーズ,人間看護学研究. ・古山周太郎(2018):避難行動要支援者対策における個別計画への地方自治体のかかわりの実態と課題 東北地方の地方自治体を対象とした実態調査から,日本の地域福祉. ・内閣府(2013):避難行動要支援者の避難行動支援に関する取組指針 ・災害対策基本法(2018):http://www.bousai.go.jp/taisaku/kihonhou/index.html (2021.5) |
最終編集日 | 2023/08/29 19:22:18 |