用語 | フィジカルディスタンス |
英訳 | physical distance |
定義 | 身体的距離の確保 |
解説 | 新型コロナウイルス感染症の感染経路の一つである飛沫感染は、くしゃみや咳によりウイルスが他者へ伝播し感染が拡大する。そしてウイルスを保有している無症候の場合でもウイルスを伝播させる可能性があり、自覚がないままにウイルスを持ち運ぶリスクがある。くしゃみや咳によりウイルスが他者へ到達する距離は、くしゃみで3m、咳で2mと言われている。この距離も加味し厚生労働省では、保つべき距離として対人距離を2m程(最低でも1m)取るという感染防止対策をフィジカルディスタンスと称し、生活様式に取り入れる事を推奨している。 また、別の感染経路では接触感染で飛沫したウイルスに直接触れて体内に取り込まれることにより感染が拡大することも、新型コロナウイルス感染症の特徴である。厚生労働省は、飛沫感染や接触感染による感染拡大を防ぐため、3密(密閉・密集・密接)の環境で感染リスクが高まる事、また体調が悪いとき等新型コロナウイルスに感染していた場合に多くの人に感染させることのないように行動することが大切とし、フィジカルディスタンスを含む「新しい生活様式」の取組が着実に実施されることにより、社会全体での感染リスクはかなり下がることを示している。 フィジカルディスタンスの同義語に「ソーシャル・ディスタンス」(社会的距離)という言葉も使用されているが、「人とのつながりの減少により社会的孤立が生じる」恐れがあることから、世界保健機関(WHO)では「身体的、物理的距離」を意味する「フィジカル・ディスタンス」に言い換えるよう推奨している。WHOの専門家は「人と人とのつながりは保ってほしいと願うからだ」と解説している。 災害時の避難所等では新型コロナウイルス感染症の感染防止対策として適切なフィジカルディスタンスは重要であるが、災害により家族や友人を失ったりコミュニティが寸断されてしまった被災者も多く、人とのつながりを途切れさせないケアや心のケアにおける十分な取組が必要である。 |
事例 | 新型コロナウイルス感染症の“いま”に関する 11 の知識(2021年8月版) https://www.mhlw.go.jp/content/000788485.pdf 数カ月毎に更新 「新しい生活 様式 」の 実践例 https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000641743.pdf |
参考文献(APA方式) | 東京新聞Web https://www.tokyo-np.co.jp/article/17045 |
最終編集日 | 2021/09/03 14:52:11 |